修論発表や卒論発表で先生方や先輩方に見ていただく前に確認する項目をまとめました.
基本的には研究発表では見やすさ,理解しやすさが大切です.自分が伝えたい内容が何なのか自覚し,何を説明すれば理解してもらえるのか意識しながら作るよう心掛けたいです.
スライドを作り始める前に
- 何をメインリザルトにするか決まっているか(自分で納得するだけでなく指導教員と話し合ったうえで決める.指導教員とメインリザルトについて同意が取れていない場合,スライドのストーリーを抜本的に作り替ることになる可能性が高い)
- メインリザルトについて聴衆に理解してもらうために必要な最低限の内容をリストアップしておく.
作成編
スライド全体
- 各スライドのタイトルだけ読んでも大体の流れがつかめるようになっているか(方法,結果とだけ書くのはスペースの無駄)
- 略語を出すときは何の略語なのか1度は書いたか
- 単語の途中で改行していないか
- 主語と述語,目的語は正しいか
- 正しい言葉を使用しているか(Google検索等で調べて論文などで使用されている言葉なのか確かめておく)
- 結果を理解してもらうために必要最低限の知識をイントロで説明しているか(ほかの研究室の同期にわかってもらえるか)
- 方法で述べた内容については結果を載せているか,イントロで述べた内容についても方法や結果,考察で必要な情報になっているか
- 話す内容がスライドと一致しているか(スライドで表示しているのと関係ない内容を話すと聞いているほうは混乱する)
- 直接的な表現を心がける(可能な限り遠回しな言い方はしない)
- 色に意味をもたせているか(むやみに色を使わない)
- 動画が使えるときは動画を使う(意識して使えるところがないか探す)
- イントロや考察では引用を書く
スライドの流れ
- 発表のゴールがどこなのかを聴衆が早い段階で理解できる構成にしているか
- スライドのつなぎは自然か(唐突感がないようにストーリーの流れを考える)
- 指標で違いを見せる前に生データの違いを見せる
文字のデザイン
- 文字サイズは20 pt以上か(会場によるが文字が読めないスライドは内容関係なく最悪)
- 基本はゴシック体で書いているか(明朝体は横線が見にくいため)
- 英字はI(アイ)とl(エル)のようにややこしい文字が区別できるようなフォントを使用しているか(Times New Romanとか?).
- 見にくい配色は使用していないか(白と黄色,青と黒は見分けずらいので背景と文字がこの組み合わせにならないようにする)
- 数字と単位の間は半角開いているか (例 20 cm, 500 Hz)
図のデザイン
- 図の文字は大きくて見やすいか(図の作成時は大きすぎるかなと感じるぐらいのサイズにする)
- 図のラベルはついているか(x軸,y軸,凡例,単位も忘れず書く)
- 図等の一部分を強調するときに四角枠を使っているか(丸枠はあまり使わない)
- 比較する図がある場合は両方の軸の範囲を合わせているか
- 見せたい違いがちゃんと分かる図になっているか.小さい場合は全体像とは別に拡大図も表示する
- 論文の引用の場合は著者名と出版年をしっかり書いているか (例: Slobounov, S. et al., 2005. 著者が2名程度の場合は全員の名前を書く.このとき”et al.”はいらない )
数式のデザイン
- 数式で定義できる内容の場合は数式でも書いているか(数式は日本語や英語で説明しにくい内容を分かりやすく説明するための共通言語なので数式がある場合は書く)
- 数式中のイタリック(斜体)とローマン体の使い分けはスライド中で統一しているか
発表練習編
- 注意された点はあとで正しく修正できるようにメモする(言われた内容が修正できないまま,再度発表すると人によってはブチギレますので注意してください)
- 自分が正しく修正点を理解できているかこまめに確かめる(「○○ように修正するということでしょうか」などと聞く.わからないまま絶対に進まない.後でもう一度修正することになると最悪)
修正編
- 練習編でメモした内容を直していく.
- 何も知らない人の気持ちになって聞いたときにわかるかどうかを確認する
- 発表を聞く側はいろんなところで誤解することを意識して見直す
本番編
- 抑揚をつけて話す.意味的に大切なところは強調して話す.
- 質問に対する回答は相手の意図と違うことを答えないように注意する.
更新履歴
2023/02/15 今年の経験を反映
コメント