Nです.大脳基底核についてまとめました.
大脳基底核の構造
大脳基底核(basal ganglia)は古い脳領域で大きく線状体と淡蒼球の2つの部分に分かれる.基底核のニューロンは基本的にGABA作動性抑制ニューロン
*gangliaはganglion(神経核)の複数形
- 線状体(striatum)
- 尾核(caudate)
- 被殻(putamen)
- 淡蒼球(pallidum)
- 外節
- 内節(視床への出力)
大脳基底核の役割
大脳基底核の主な役割は
- Operational learning
行動の結果の良し悪しを判断して学習する - Action selection
いまの環境でどの行動を起こすのか選択する
大脳基底核のデフォルトは何の運動もしない状態で,その状態を乗り越えたときに行動が起こる.
マルチタスクを行うときも大脳基底核は一つの行動を選択する,もしくはすべてをいったん止める.
どうやってそれを乗り越えてマルチタスクを行うかというと大脳基底核は“Chunking”(プロセスを一つの単純な自動的に実行できる塊にすること)を行っている.
例えば 私たちは5 4 3 7 9 1 4 3 2という数字を覚えるときに一つ一つ覚えるというよりは543 79 1432とchunkに分けて覚えることが多い.
同じように大脳基底核も行動として歩行や会話を情報の処理の負荷を減らして実行できるchankに分けて保存して,マルチタスクを実行することができる.
過学習を行い結果とは関係なくその行動を選択するようになると中毒(habit)と屋ばれるようになり,自己破壊にもつながってしまう.
大脳基底核の経路の使われ方
Skeltal motor loopは3つの経路からなる.
Starting condition:
Hyperdirect pathway: stop movement brodaly
Direct pathway: initiate action
Indirect pathways: selective inhibition
チューイングガムを食べながら歩いている時に友達を見かけると会話を始めるために,Hyperdirect pathwayによっていったんすべての運動をやめる.
そのあとDirect pathwayによって会話を始める.
そしてIndirect pathwaysによって会話とは関係ない運動を抑制して会話に最適化する.
ドーパミン(Dopamine)
黒質緻密部のドーパミン細胞は線条体に投射している.
黒質の間の部分には腹側被蓋野と呼ばれる部分がある.腹側被害やもドーパミン細胞を持つ.
ドーパミン細胞がないマウスは運動をせず,数日で死んでしまう.このとき呼吸はするがそれは延髄による運動であることによる.
パーキンソン病患者もボールを反射でとることができるがそれも大脳基底核が関係していないことによる.
つまり,大脳基底核による運動を行うためにはドーパミン細胞が必要となる.
基本的にはドーパミンは行動を起こす方向に働く.
chank, habitはドーパミンがなくなると行えなくなる.
Hyperdirect pathway
線条体を介さない経路で全ての運動を停止するときに使う
M1, STN, GPi, VL/VA, M1の経路で全ての運動を抑制する際に使用される経路.
深部脳刺激(Deep brain stimulation) でトレモアが抑制されるのはSTNを活動させることでこの経路を活性化させているからである.
Direct pathway
線条体を介する経路で運動を開始するときに使う.ドーパミンによって活性化する.
M1, Str, GPi,VL/VA, M1の順で活動する.
Indirect pathways
淡蒼球外節からSTNへの投射を使用する経路.選択的に運動を抑制する際に使用される.ドーパミンによってこの経路の活動は抑制される,つまり余計な運動も行うようになってしまう.
ハンチントン病はIndirect pathwayがうまく働かなくなることによっておこる.
参考資料
神経生理学を勉強するのによいyoutubeチャンネルhttps://www.youtube.com/playlist?list=PLAXSVuGaw0Kz_FW4VzH9eKJiNE26_J0HV
大脳基底核が始まるのは20章から
コメント
凄いね!