ベクトルの極限としての関数とその内積

実は関数とベクトルはものすごく近い関係にあります.関数とベクトルの違いは連続か離散かという点です.

関数とベクトルの類似性は内積の計算を考えると実感できます.

関数とベクトルの内積

$$x \in [a,b]$$で定義される関数\(f(x),g(x)\)の内積は以下の式で表される.

$$\langle f(x),g(x)\rangle = \int_a^b f(x)\bar{g}(x) dx$$

これはベクトルの内積

$$\langle \mathbf{f},\mathbf{g}\rangle = \mathbf{g}^*\mathbf{f} = \sum_{k=1}^n f_k \bar{g}_k = \sum_{k=1}^n f(k) \bar{g}(k)$$

に離散間隔$$\Delta x = (b-a)/(n-1)$$をかけて規格化した以下の式で\(\Delta x \rightarrow 0(n \rightarrow \infty )\)の極限をとった式に一致する.

$$\Delta x \langle \mathbf{f},\mathbf{g}\rangle = \sum_{k=1}^n f(k) \bar{g}(k) \Delta x$$

関数のノルム

内積を定義するとノルム(距離のようなもの)も定義できる.

$$||f||_2 =(\langle f,f \rangle)^{1/2}=\sqrt{\langle f,f \rangle} = \left( \int_a^b f(x)\bar{f}(x) dx \right)^{1/2}$$

このノルムが領域\(x \in [a,b]\)で有限の値をとる関数の集合を\(L^2 ([a,b])\)と示す.例えばフーリエ級数の計算では内積の計算を行うので内積の計算ができる\(L^2 ([a,b])\)に含まれる関数を対象とする(\(L^2 ([a,b])\)でない関数の内積は計算できない).

ベクトルのノルム

$$||\mathbf{f}||_2 = (\langle \mathbf{f},\mathbf{f}\rangle)^{1/2} = (\sum_{k=1}^n f_k \bar{f}_k)^{1/2} $$

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