Nです.今回はFrontiers in Neuroscienceという雑誌について紹介します.正直これまで論文を読む際に掲載されている雑誌についてあまり意識していませんでした(著者についても同様ですが…).それではだめだと思ったのでそれらを意識することを習慣づけるために雑誌紹介や著者紹介を作成していきたいと思います.今回Frontiers in Neuroscienceを選んだのはたまたま読んでいたreview論文がこの雑誌だったからです.

雑誌概要

Frontiers in NeuroscienceはFrontiers Mediaという出版社から出版されている59ある「Frontiers in ~」シリーズのうちの一つで査読ありのオープンアクセスジャーナルです.さらにFrontiers in NeuroscienceはFrontiersが設立されクローズドベータを行っていた2007年から存在するFrontiersが出版している中で最も古い雑誌です.これはFrontiersを設立したのがHenryとKamila Markramという二人の神経科学者であったことによると考えられます(夫婦らしいです).Frontiers in Neuroscienceは名前の通り神経科学の広い分野についての論文を掲載しています.

掲載論文の分野

  • 聴覚認知神経科学(Auditory Cognitive Neuroscience) [372]
  • 自立神経科学(Autonomic Neuroscience) [196]
  • 脳機能イメージング手法(Brain Imaging Methods) [651]
  • 意思決定神経科学(Decision Neuroscience) [333]
  • 神経技術(neural Technology) [400]
  • 神経変性(Neurodegeneration) [749]
  • 神経内分泌科学(Neuroendocrine Science) [428]
  • 神経エネルギー学,栄養と脳の健康(Neuroenergetics, Nutrition and Brain Health) [133]
  • 神経発生学(Neurogenesis) [269]
  • 神経遺伝学(Neurogenomics) [142]
  • 神経形態工学(Neuromorphic Engineering) [206]
  • 神経薬理学(Neuropharmacology) [409]
  • 神経機能代替学(Neuroprosthetics) [334]
  • 知覚科学(Perception Science) [203]
  • 睡眠と概日リズム(Sleep and Circadian Rythms) [54]
  • 社会・進化神経科学(Social and Evolutionary Neuroscience) [49]
  • システム生物学(System Biology) [108]

[ ]内はその分野の掲載論文数です(全5364.2019/10時点).この数字は他のFrontiers in ~を含んでいます.あと合計すると5036になります.328はどこに消えたのでしょうか…

こうしてみると内容がイメージできるものもあれば神経遺伝学や神経内分泌科学など今の自分ではおそらく読んでもわからないものもあります.こんなに広い分野の論文を掲載しているのですね.また脳機能イメージングや神経変性に関する論文が多いことがわかります.あと各分野名の日本語訳は適当です.正しい訳を知っている人はぜひコメントで教えてください.

歴史

2017年

AIによるレビュワーの選定(推薦)が始まる.

2008年

オンラインプラットフォームができる.

オープンアクセスジャーナルとしてFrontiers in Neuroscienceがオープン.

2007年

Frontiersがスイス連邦工科大学ローザンヌ校の二人の神経科学者,HenryとKamila Markramによって設立される.Frontiers in Neuroscienceのクローズドベータで17の論文が出版される.

歴史は正直Frontiers in Neuroscience単独の情報があまり載っていなかったので少なめです.

最多引用論文トップ3 (2019/10時点)

  1. 引用回数 505回
    Indiveri G, Linares-Barranco B, Hamilton TJ, van Schaik A, Etienne-Cummings R, Delbruck T, Liu S-C, Dudek P, Häfliger P, Renaud S, Schemmel J, Cauwenberghs G, Arthur J, Hynna K, Folowosele F, Saighi S, Serrano-Gotarredona T, Wijekoon J, Wang Y and Boahen K (2011) Neuromorphic silicon neuron circuits. Front. Neurosci. 5:73. doi: 10.3389/fnins.2011.00073
  2. 引用回数472回
    Meunier D, Lambiotte R and Bullmore ET (2010) Modular and hierarchically modular organization of brain networks. Front. Neurosci. 4:200. doi: 10.3389/fnins.2010.00200
  3. 引用回数459回
    Millán JdR, Rupp R, Müller-Putz GR, Murray-Smith R, Giugliemma C, Tangermann M, Vidaurre C, Cincotti F, Kübler A, Leeb R, Neuper C, Müller K-R and Mattia D (2010) Combining brain–computer interfaces and assistive technologies: state-of-the-art and challenges. Front. Neurosci. 4:161. doi:10.3389/fnins.2010.00161

統計値 (2017/06時点)

総出版数:2683

総引用数:21307

エディター:2,079

著者数:12960

論文掲載数/年

論文投稿数推移

掲載数は右肩上がりですね.だいたい4, 5年で倍になってます.素人的には掲載数増えすぎなのではと思いますが.

国別投稿数

投稿数を反映したワードクラウド(投稿数が大きいほど文字が大きいです.)

国別掲載数

国/地域 レコード % of 5278
USA 1898 35.961
PEOPLES R CHINA 716 13.566
GERMANY 623 11.804
ENGLAND 431 8.166
ITALY 380 7.2
CANADA 348 6.593
FRANCE 335 6.347
AUSTRALIA 289 5.476
JAPAN 286 5.419
SWITZERLAND 236 4.471
SPAIN 218 4.13
NETHERLANDS 209 3.96
BRAZIL 112 2.122
BELGIUM 105 1.989
SWEDEN 98 1.857
AUSTRIA 93 1.762
ISRAEL 82 1.554
DENMARK 70 1.326
SOUTH KOREA 70 1.326
RUSSIA 66 1.25
FINLAND 60 1.137
PORTUGAL 53 1.004
MEXICO 49 0.928
SCOTLAND 49 0.928
SINGAPORE 48 0.909
(64 国/地域 の値が表示オプション外です。)
(13 レコード (0.246%) は分析中のフィールドのデータを含みません。)

日本は9位ですね.アメリカと中国が多いです.

雑誌間引用関係

雑誌間の引用関係を見ることでその雑誌を見ている人がほかにどのような雑誌をチェックしているのかがわかるのではないかと思い調べました.

Frontiers in Neuroscienceに掲載された論文を引用した雑誌の内訳

掲載された論文を引用した雑誌

掲載された論文を引用した雑誌

意外と自己引用といいますか,Frontiers in Neuroscience内で再び引用される割合はそんなに高くないみたいです.掲載された論文は主にSCI REP-UKやNEUROIMAGE, PLOS ONE, J NEUROSCIに引用されることが多いみたいです.

掲載された論文が引用した雑誌の内訳

掲載された論文が引用した雑誌

掲載された論文が引用した雑誌

Frontiers in Neuroscienceに掲載された論文は結構NATURE, SCIENCE, NEURON, CELL等の有名どころの論文を引用していることが多いみたいですね.

まとめ

Frontiers in Neuroscienceについて紹介してきましたがいかがだったでしょうか.Frontiers in Neuroscienceはオープンアクセスなので誰でも読めるのは嬉しいところです(その分掲載料が高い?).アクセスしやすいと言うのは論文の閲覧数や引用数にも大きな影響を与えているのではないでしょうか(いずれ調べてみたいです).機会があれば投稿方法やルール,必要経費等も調べて書きます.

おまけ

ハゲタカジャーナル(potential predatory publisher)という言葉は近年日本でもたまに報道されています.このときにビールのリスト(Beall’s list)と呼ばれるリストがハゲタカジャーナルをまとめたブラックリストとして紹介されることがあります.なんでこのリストの話をしたかというとなんとFrontiersはこのビールのリストに載っています!!「 え,Frontiers in Neuroscienceってハゲタカジャーナルなの」と不安になりますが,オープンアクセスのホワイトリスト作成を目指しているDirectory of Open Access Journals(DOAJ)にもFrontiers in Neuroscienceは登録されています.つまりDOAJを信じるならハゲタカでないということですね.ここまでの話でわかるようにハゲタカかどうかというのは簡単には判断できないもののようです(ハゲタカジャーナルについても記事がかければいいな…).ハゲタカジャーナルについては「ハゲタカオープンアクセス出版社への警戒」も参考になると思います.

参考文献

Frontiers in Neuroscience | Journal Report

About Frontiers | Academic Journals and Research Community

Beall’s list

Directory of Open Access Journals(DOAJ)

ハゲタカオープンアクセス出版社への警戒

InCites

 

この雑誌について知りたい等の要望ありましたらコメントください.もしかしたら書くかもしれません.

また,データを見て気づいたことありましたら教えて頂けると嬉しいです.


N

博士後期課程学生 研究中に気づいた事を中心に記事を作成していきます.研究内容は主にヒト運動計測と脳波解析.

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