摂動に対する自動姿勢応答における2つの大脳皮質の役割

随時更新します.

2020年現在,大脳皮質は自動姿勢応答において主に「事前情報による姿勢応答の調節」と「姿勢不安定化後におけるリアルタイム姿勢制御」2つの役割を果たしていると考えられています.

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事前情報による姿勢応答の調節

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姿勢不安定化後,特にlate phaseにおけるリアルタイム姿勢制御

摂動直後の姿勢応答は皮質下(脊髄,脳幹,大脳基底核,小脳?)が生成しており,摂動後320 ms? 程度経過してから皮質による姿勢応答のリアルタイムな調節が行われると考えられています.

そのように考えられる大きな理由として以下の2点が挙げられます.

  • TMS
  • 認知負荷を二重課題(Dual-task)でかけた際,初期の姿勢応答は変化しないがその後の姿勢応答は変化することが報告されている (Mcllroy et al., 1999).

Mcllroy et al., 1999 の研究では足関節による倒立単振子の制御と,ディスプレイに表示された線と同じ動きをポテンショメータを手で動かしてするという視覚運動課題を同時に行っています.このとき,倒立単振子に摂動を加えると,摂動後 325±93 ms から 600±522 ms まで視覚運動課題の方でトラッキングの動きが止まることが報告されています.さらにトラッキング再開後も摂動後1.5 – 4.5 s間の平均二乗誤差が通常時の248%になることが報告されています.

参考文献

Bolton, D. A. E. “The Role of the Cerebral Cortex in Postural Responses to Externally Induced Perturbations.” Neuroscience & Biobehavioral Reviews 57 (October 1, 2015): 142–55. https://doi.org/10.1016/j.neubiorev.2015.08.014.

McIlroy, William E., Robert G. Norrie, John D. Brooke, Darcy C. Bishop, Aimee J. Nelson, and Brian E. Maki. “Temporal Properties of Attention Sharing Consequent to Disturbed Balance.” NeuroReport 10, no. 14 (September 29, 1999): 2895–2899.

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